ホテル内におけるスチュワードとは、ホテル内レストラン・宴会場の食器・什器を一元管理する専門職だということは前回お話しました。
欧米ではスチュワードは「ホテルの裏方を務めるもう一人の総支配人」として機能し、尊敬されるポジションを築いているそうです。
さて、今回もスチュワードマネジャーの秋元修一のナビゲートで、宴会場で使用された大量の食器類が、どのように片付いていくのか、作業の流れを追いながらスチュワードの仕事ぶりをみたいと思います。
ウェイターやウェイトレスが宴会場から、使用された大量の食器を大型ワゴンで運んできました。
さあ、ここからがスチュワードの腕のみせどころです。

まずスチュワードは、ウェイターやウェイトレスが下げてきた食器に付着した食べ残しをヘラで手早く落としていきます。次に食器を洗いやすいように種類毎に分け、大型食器洗浄機に効率よく入れていきます。
「なんだ、別に普通じゃないか?」と思われますか?
ムービーでお見せできないのが非常に残念なのですが、作業スピードが全く違います。
外部の方が初めてその作業を見学されたときは、あまりの速さにどよめきがおきたほどです。私が見た印象では、平皿なら1秒間に5枚位を食器洗濯機にセットできるのでは?と思うほどで、彼らがこの分野の「プロ集団」なのだということが良くわかります。
食器洗浄洗機に入れられた食器は60℃のお湯で下洗いされ、70℃で本洗い、80〜90℃の高温のお湯で仕上げ洗いとなり、その余熱で乾くようになっています。

その間、わずか1分。
彼らはすべての食器(約1千アイテム)の形状と、その食器の汚れを機械できれいに洗浄するための効果的なセット位置を熟知しているので、洗い残しは殆どありません。
お皿に残ったわずかな水滴はすかさず拭きとられ、アイテムごとに重ねられ、あっという間に元の保管場所へ戻されていきます。
小規模のパーティーなら、ヨソ見をしているうちに作業が終わってしまうような早業ですが、すべての食器が機械で洗えるわけではありません。
たたみ一畳分ほどもある大型のプラッター台や、漆器などは手洗いになります。また、洗浄だけではなく、食器のメンテナンスもスチュワードの仕事です。
食器のわずかなカケや柄のはがれ、ガラス製品の傷によるくもりなどは定期的にチェックされ、問題のあるものは処分されます。
酸化によって黒ずんだ銀製品は、一旦別の場所によけられ、特別な洗剤で1つずつ丁寧に磨かれます。磨き上げられた銀食器は再び美しい輝きを取り戻し、現場に復帰します。
さて、次回は、これらの膨大な食器類が、一体「どこに保管」されているのか。
厨房のさらに奥深くまで、潜入していきます。

