みなさんは「グリートレス」、という言葉をご存知ですか?
今回は、コーヒーハウス「ブーローニュ」でグリートレス兼ウエイトレスとして働く川島裕子が、その役割と想いをお話しします。
レストランなどの入口で「いらっしゃいませ、何名様でしょうか?」と声をかけられた経験がおありかと思います。このように、お客さまをお迎えしてご挨拶やご案内をする担当者のことを「グリートレス(男性の場合はグリーター)」と呼びます。

私のおりますセンチュリーハイアット東京のコーヒーハウス「ブーローニュ」は、朝6時から深夜24時まで営業をしております。朝食・ランチ・ティータイム・ディナーと、さまざまなシチュエーションでお使いいただけるレストランのため、ご利用になるお客さまも館内のでは一番多く、1日に約1000名様を超えます。
ご利用になるお客さまの年齢層は幅広く、ご利用目的もビジネスからプライベートまでさまざまですので、ご案内の際には、こうしたことにも配慮してお席をご用意しております。
この仕事に携わっていますと、ある程度はお客さまの望まれる席を推測できるようになります。もちろん、固定観念で決め付けることはいたしません。選択肢はあくまでもお客さまにありますので、「窓側の景色の良い席と、奥の広めのお席がご用意できますが、どちらがよろしいですか?」というようにご希望をお伺いするように心掛けています。
ブーローニュの席数は200席あるのですが、ご案内の時、グリートレスの頭の中には、全ての席の状態がきちんと把握されていないといけません。入口からは直接見えないお席もあります。その全ての把握が必要になるのですが、単純にお席が空いているかどうかだけではなくテーブルの「状況」も理解していないといけません。
テーブルの状況は刻々と変化しています。例えば、先ほどご案内したお客さまが、メニューをご検討になるお時間はどれくらいか、お料理をお出しするタイミングはいつ頃か、お召し上がりの状況はどうかなど、他のスタッフと協力しながら各テーブルの動きを確認し、予測しながら、「いま何組ご案内できるか」、「次のお客さまをご案内できるのは何分後か」といったことを判断しています。
いわばグリートレスは、店内の流れが円滑に行くよう、調整をする係です。お席が空いているからと言って、いっぺんにお客さまをご案内しても、お客さまをお待たせする時間が長くなるようでは、かえって失礼ですし、ご満足いただけるサービスをご提供していることにはなりません。
お席に着かれてからお帰りになるまで、スタッフ全員がと連携し全てがとどこおりなく流れるようにする。グリートレスはそのスターターの役割ともいえます。
現在のテーブル状況、未来のテーブル状況、そして、随時入ってくる予約席の状況、この3つの状況を常に頭の中で動かし予測しながら、お客さまを笑顔でご案内する。
グリートレスは、先を読む力と臨機応変に対応する柔軟性が必要な仕事です。まだまだ経験を積まなくてはならないことが沢山ありますが、私はこの仕事が大好きです。

